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2022.07.04
気づいたら変色してるタオル。どうしたらいいの!? – 黒ずみ編 –
皆さまからいただいた洗濯物の変色に関するお悩み、
続いては「黒ずみ」に関するお悩みにお答えしていきます。
タオルが黒ずんでる!なぜ?
洗濯を繰り返すと徐々にタオルが黒ずんでくるという話は色々なところからよく聞くのですが、調べてみると黒ずみにはいくつかの原因があるようでした。
原因によって対応策も異なりますので、代表的な例をご紹介していきますね。
①微粒子汚れの蓄積
タオルを長く使っていると、一緒に洗濯した衣類などから落ち出た “色素” や “ホコリ” などの微細な汚れ物質(微粒子)が洗濯水と一緒にタオルに吸収されて徐々に蓄積されていき、黒ずみが発生します。
タオルは衣類の何倍も多く水を吸収することに加え、生地がフィルターのような構造になっているため、洗濯の際に水の中にある汚れをキャッチしてしまうんです。
交通量の多い道路の近くや埃っぽい場所に干した場合も、空気中に漂っている細かな粒子が付着しやすくなります。
このケースの黒ずみは、水中の汚れ物質や空気中の微粒子を吸着することによって発生するため、タオル全体に発生することが多いようです。
↳ 微粒子汚れによる黒ずみの解決法・予防法
原因が他の衣類から溶け出した染料の場合は、粉末の酸素系漂白剤を適量溶かした水に浸け置きすることで落とせます。
しかし、微細な汚れ物質が混ざっている場合は、繊維の奥から汚れ物質を押し出さないといけないため、水の中でタオルを強く揉んだり擦ったりするような洗い方を繰り返さないとなかなか落ちません。
一番の予防策は汚れを蓄積させないことです。
洗濯は多めの水で念入りに洗い、すすぎもしっかりと行うことで、汚れが蓄積しにくくなります。
↳ 意外な原因!炭入りボディソープ
備長炭や竹炭も微粒子と同じようなものなので、ボディソープやシャンプーが洗濯物に付着した状態で洗濯水に混ざってしまった場合に黒ずみの原因になることがあります。
②カビの発生
黄ばみと同じように、バスタオルの中央部分やフェイスタオルの上下の端付近など、よく使う部分がうっすらと黒ずんで見えるようになるのは、タオルの地組織にカビが発生しているからです。
表面のパイル部分は比較的すぐに乾くのでカビが発生しにくいですが、地組織は乾くのに時間が掛かる上、汚れも残りやすいので、温かい季節は油断するとすぐにカビが発生してしまいます。
カビは繊維にしっかりと根を張っているため、一度発生すると殺菌しても消えません。
↳ カビによる黒ずみの解決法・予防法
早い段階であれば、粉末の酸素系漂白剤を適量溶かした水やお湯に浸け置きしたり、重曹などで煮洗いしたりして落とせる場合もありますが、通常は塩素系漂白剤を使わないと取り除けません。
白い無地のタオルであれば塩素系漂白剤で真っ白な状態に戻すことができますが、色柄物の場合は残念ながら打つ手はありません。取り換えのタイミングとお考えください。
使った後はすぐに洗うか乾かすことがポイントです。
カビは基本的に養分となる汚れと水分がないと繁殖しないので、汚れたまま、湿ったままで放置しないように心がけましょう。
③柔軟剤の繰り返し使用
柔軟剤を繰り返し使っていると、タオル全体がなんとなく黒ずんでくることがあります。
これは柔軟剤自体が変色しているのではなく、柔軟剤を使用するとタオルが微細な汚れや色素をひきつけやすくなるためです。
柔軟剤は電気でいうとプラスの性質を持っているため、マイナスの性質を持つ微細な汚れ物質や色素を引き付けやすくなり、<①微粒子汚れの蓄積>で説明した微粒子汚れの蓄積による黒ずみが起こりやすくなります。
また、黒ずみではありませんが、紅茶やコーヒーなどに含まれる色素を強く引き付ける性質もあるため、紅茶やコーヒーのシミも落ちにくくなります。
さらに、柔軟剤を繰り返し使用しすると黒ずむだけでなく水を吸わなくなってしまいます。
↳ 柔軟剤による黒ずみの予防法
柔軟剤は、滑りの悪くなった繊維を復元するためのものです。
洗濯物の素材や洗い方にもよりますが、最近の柔軟剤は1度と使うと洗濯2~3回くらいまで成分が残るので、必ずしも毎回使う必要はありません。肌触りの硬さが気になってきた時や滑らかさがなくなってきたと感じた時に、まずは1回だけ使うようにしましょう。
「粉末?液体?おしゃれ着洗い?洗濯洗剤の選び方と漂白剤や柔軟剤の上手な使い方」の記事の中でも、柔軟剤の正しい使い方をご紹介しています。あわせてご覧ください。
④節水型洗濯機の使用
ドラム式洗濯機などの節水型の洗濯機の場合、ちょっとした条件の変化で洗浄とすすぎの両方が不十分になりやすく、汚れが落ち切らないことがあるため、洗濯物が黒ずみやすいと言われています。
と言っても、洗濯機自体が悪いのではなく、洗濯機や洗剤の能力に頼りすぎてしまうことが一番の原因なんです。
一度にたくさん洗おうとして洗濯物を詰めすぎたり、洗剤や柔軟剤の量や使い方が適正でなかったりすれば、当然洗濯の効率は低下して、落ちる汚れも落ちなくなってしまいます。
特にドラム式洗濯機の場合は、水量やすすぎ回数などの条件を変更できない機種が多いため、洗濯物の種類や汚れ具合などによって一度に洗濯する量を細かく調整すること、洗濯物の種類や汚れ具合に合わせたコースを選ぶことが重要です。
↳ 節水型洗濯機による黒ずみの予防法
節水型の洗濯機はベストな条件で洗えないと汚れが残りやすくなる傾向があるため、洗濯物を気持ち少なめにして、出来るだけ念入りに洗えるコースを選ぶことがポイントです。
裏技ですが、特にタオルを洗濯する時は、一度洗濯物に水分を含ませて重量を重くしてから投入(=洗濯機をだます)する方法もおすすめです。
洗濯機や洗剤の魅力的な謳い文句は、基本的に「ベストな条件」でのものなので、状況によっては期待通りにいかないこともあります。
例えば洗濯機の最大容量は理論上の限界値であり、実際には最大容量の70%程度で洗うことをメーカーが推奨していたり、「すすぎ1回」は実は「汚れが少ない場合は1回でもOK」という意味だったり。
「節水」や「省エネ」という謳い文句だけに惑わされず、汚れの状態やお使いの洗濯機の種類で効率よく洗える量を見極め、洗濯機や洗剤の性能もある程度理解して使えるのが理想的ですね。
洗濯はその都度状況に合わせて行うことが大切です。
番外編:洗濯物を干したら茶色く変色!なぜ?
タオルの場合はあまり起こりませんが、化学繊維の衣類や合成樹脂のパーツなどに時々発生する変色です。
ものが燃焼するときに発生する酸化窒素ガスは、合成樹脂などに含まれている酸化防止剤と反応すると茶色や黄色の変色を発生させます。
綿のタオルに酸化防止剤は含まれていませんが、周りにある合成樹脂などから蒸散した酸防止剤を吸着してしまうことがあります。
特に水分を含んでいると気体を吸着しやすくなるため、例えば合成樹脂製の洗濯カゴやランドリーバックなどに濡れたタオルを長時間入れていたような場合、そこから発生した酸化防止剤と空気中の酸化窒素ガスを吸着して変色してしまうことがあるんです。
キャンバス地のスニーカーを洗ったらゴムや接着剤の部分が茶色く変色しちゃった、部屋で鍋物や焼き肉をやったら服が変色しちゃったなんていう話を時々聞きますが、これらも同じ原理です。