クレープガーゼ®の物語は、2009年にさかのぼります。当時、とあるブランドの商品で独特のガーゼが採用されました。
そのガーゼは、旧式の織機を用いて緩やかなテンションで織られた、自然なしわ感のある生地。オーガニックコットンを使い、どこか素朴で、空気を含んだような表情を持っていました。
その風合いに、UCHINOはひとつの可能性を感じます。タオルでもなく、一般的なガーゼとも少し違う。やわらかく、軽く、肌になじむのに、見た目にも独特の表情がある。
この風合いを、UCHINOらしい素材として表現できないだろうか
そんな着想が、後のクレープガーゼ®につながっていきました。単純な織物であるガーゼは、効率の面から一般的な平織織機で織られることが多い素材です。一方、UCHINOには長年タオルづくりで培ってきた設備と技術があります。
そこでUCHINOは、タオル織機ならではの機能を利用し、参考にしたガーゼのような自然なしわ感を備えた、肌触りの良いガーゼの開発を始めました。
タオル織機でガーゼを織ること自体は特に難しいことではありませんが、効率を考えるとタオル織機を用いる必要はありません。ましてや、タオル織機の機能を積極的に利用してガーゼを織るという発想も、一般的なものではありませんでした。
タオルとしてはごく普通の技術であっても、それをガーゼに応用すると、これまでにない表情が生まれる。そこに、UCHINOならではの素材開発の面白さがあります。
試作品は、タオル織機の機構を利用して、旧式の織機のような緩やかなテンションでガーゼを織り上げ、さらにタンブル乾燥で収縮させて、やわらかなしわ感を表現しました。
最初から「涼しい素材をつくろう」として生まれたわけではありません。出発点は、外観の再現と風合いの追求でした。
ところが試作を進める中で、この素材には外観だけではない、思いがけない機能があることがわかってきます。それが、高い通気性です。
しわと凹凸によって、肌と生地の間にすき間ができる。三重構造でありながら、空気が通りやすい。肌にべったりと張りつきにくく、着たときにさらりと涼しく感じられる。
見た目のしわ感や風合いを追求した素材が、実は機能的にも優れていた
クレープガーゼ®は、そんな偶然の発見から生まれた素材でもあります。